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タイマグラ~早池峰の麓

早池峰は既に雪を被っているものの、ここはそろそろエントリしたいと思っていた場所。
訪れたのはまだ麓の紅葉が始まっていた頃。


ここは川井村、タイマグラ。
この不思議な地名は、アイヌ語に由来するとも言われている。
漢字で当てると「太麻座」とも「太麻鞍」ともなるらしい。
その意味は「水が豊かな森」。
タイマグラを流れる薬師川が理由の源だろう。
また、これとは違う意味で伝え聞いた話もある。
どちらが真実かは知らない・・・・・でも、それはなんでもないことだと思う。


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ずっとこの地が気になっていた。
最大の理由は、「タイマグラの安倍が城」の存在。
またまた妄想激しく・・・・と言われそうだが、それについての記述が『遠野物語』にあった。

早池峰は御影石の山なり。
この山の小国に向きたる側に安倍が城という岩あり。
険しき崖の中ほどにありて、人などはとても行き得べき処にあらず。
ここには今でも安倍貞任の母住めりと言い伝ふ。
雨の降るべき夕方など、岩屋の扉を鎖す音聞こゆといふ。
小国、附馬牛の人々は、安倍が城の錠の音がする、明日は雨ならんなどといふ。

(遠野物語 六五)


正に、伝説の場所がここ。
一体、どの辺りに「それ」はあったのだろうか。


霊峰早池峰を間近で見られる集落・・・・とはいえ人が住まわる家はいかほどあるのか。
キャンプ場があるが、夕闇迫る山懐はひっそりとして何処か神秘的な空気を感じた。
これからの季節・・・・・長い夜が始まろうとしている。
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キャンプは苦手だが、ここでならしてみたいような気がする。
夜は早池峰の気配を感じつつ眠りに就き、山を望みながら朝を迎える・・・・そんな体験が出来るなら
いいかも知れない。
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タイマグラを潤す薬師川。
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間もなく、太陽が山の向こうに隠れようとしていた。
その時、早池峰が輝いた。僅かな時間だった。
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また、タイマグラといえば「タイマグラばあちゃん」という、2004年に製作された映画でご存知の方もいらっしゃる
かも知れない。
今は故人となったおばあちゃんの、早池峰の懐に抱かれたこの地での生活を綴ったドキュメンタリー映画だそうだ。
私も少し前に深夜のNHKアーカイブの特集番組を見た。
まさか、映画になっていたとは露知らずである。
by tamachi69 | 2007-11-18 00:05 | 伝説の地
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